日本栄養士会雑誌
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パラグアイ共和国ピラポ市近郊で食されていた小麦粉を使った料理の栄養学的特徴
須藤 紀子カバリェロ 優子
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2017 年 60 巻 4 号 p. 213-219

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抄録

パラグアイで増加している肥満は、食生活の変容が大きな要因と考えられる。特に近年の小麦粉消費量の増加は肥満との関連が示唆されている。本研究では小麦粉料理の種類とその栄養学的特徴を明らかにするため、イタプア県ピラポ市およびその郊外における18~69歳のパラグアイ人男性200人、女性233人を対象に、1日間の直接秤量記録を行った。小麦粉料理には、焼く、揚げる、煮る、炒るという調理方法が観察された。パン類以外の小麦粉料理は、肉、野菜、乳製品、油脂等が入っており、主食のみならず、主菜としても食されていた。各小麦粉料理の1人1日当たりの平均出現回数を合計すると、男女共1人1日当たり2回以上小麦粉料理を摂取していた。1人1日当たりの平均エネルギー摂取量に占める小麦粉の寄与割合は約30%で、全ての食品の中で最も高かった。小麦粉料理のエネルギー産生栄養素と食塩摂取量への合計寄与割合は約50%を占めていた。

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