日本栄養士会雑誌
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認知症グループホームにおける実施献立の食品摂取多様性と食品数からみた栄養学的課題
河野 真莉菜 藤井 京香安武 健一郎
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2021 年 64 巻 7 号 p. 391-397

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抄録

本研究の目的は、介護職員が献立作成を担う認知症対応型共同生活介護の実施献立を評価し、栄養学的課題を検討することである。福岡県内のグループホーム5施設を対象に、4週間分の実施献立を収集し、食品摂取多様性スコアと1日当たりの使用食品数のカウントを行った。その結果、それらの全施設の中央値はそれぞれ6.0 点/週、25.0品目/日であった。食品摂取多様性スコアでは、卵、牛乳・乳製品の使用頻度とそれらの合計点(p = 0.023)において施設間で有意差を認めた。また、1日当たりの使用食品数では、卵、牛乳・乳製品、緑黄色野菜、淡色野菜、きのこ類、果物、油脂類、菓子類とそれらの合計数(p < 0.001)で施設間差を認めた。グループホームの実施献立は、使用食品数に偏りを認め、施設によって献立の質が異なっていた。このような栄養学的課題を解決するためには、管理栄養士・栄養士の関わりが必要であり、介護職員への栄養教育が重要と考えられる。

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