日本は世界に類を見ない速さで高齢化が進み「超高齢社会」を迎えている。本研究の目的は、訪問栄養指導が在宅高齢者のQOL、BMI、疾病の改善に及ぼす効果を検証し、さらに、介護度や依頼元別の依頼内容の違いや特徴の実態を明らかにすることである。対象は2012~2020年の8年間に訪問栄養指導を受けた211人。栄養介入は、初回にアセスメントを行い最終回で評価した。主観的情報のQOLは、記録から事象を6カテゴリーに分類し、分析した。また、客観的情報が事前事後でそろう79人については、目的別に低栄養を回避し体重増加を目指す群、適正体重を維持する群、肥満の改善を目指す群の3群に分け分析した。その結果、増加群、減少群は共に体重に有意な改善が見られ、群間差が認められた。QOLの向上には、栄養と調理、行動変容が要因として有意に関連していた。訪問栄養指導の効果は、QOL、BMI、疾病の改善に有効であることが示唆され、介護度別、依頼元別に依頼内容の特徴が認められた。