歯科材料・器械
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原著
歯科用エアタービンハンドピースの性能に関する研究(VII) : エアタービンの回転性能と試験方法
宮入 裕夫福田 秀昭永井 正洋
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1982 年 1 巻 4 号 p. 328-338

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抄録
エアタービンハンドピースは優れた切削器械として広く用いられており, 最近では技工用のエアモータなどとしても, 使用されている.
本研究においてはエアタービンの回転性能試験に関する研究として, 定荷重および定速度負荷試験について検討を行なった. 両負荷方法(切削方法)は歯科臨床および技工などで広く用いられているもので, このような負荷方法によってエアタービンの回転性能は異なるのではないかと考えられている.そして, これらの試験方法の結果を踏え, 切削工具の支持方法として, エアベアリングタイプとボールベアリングタイプとについて回転性能の検討を行なった.
そこで, エアタービンの回転性能試験を行なうために, それぞれの負荷方法で試験できる回転性能試験装置を作製した. その結果, 定速度負荷および定荷重負荷の両負荷方法によるエアタービンの回転性能は回転速度-トルク線図で同様な結果を得ることを確認した. そして, 試験の容易な定速度負荷方法による回転性能試験が有効な試験方法であることが明らかとなった.
一方, 定荷重負荷試験により回転性能とエアタービンの回転支持方法との関係について検討した.
回転部支持方法として, エアベアリングタイプとボールベアリングタイプが一般に広く用いられており, この両支持方法について実験した.エアタービンの回転中の負荷に関し, エアベアリングタイプは初期回転速度の40%程度の速度低下の近傍で急激な速度の低下が見られるが, ボールベアリングタイプではそのような現象は見られない.したがって, エアベアリングタイプでは広い領域で回転速度の変化が行なわれ得る.しかしボールベアリングタイプに比べ, エアベアリングタイプの使用トルク範囲は低くなっている.
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© 1982 一般社団法人 日本歯科理工学会
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