抄録
本研究ではワイヤ放電加工を中心にCAD/CAMの手法を用いてチタン製コーピングの製作を行い, 臨床応用を試みた.下顎第1大臼歯をショルダー形成し, シリコーンラバー印象材で印象採得を行い, 超硬石膏を用いて模型を作製した.レーザ計測機を用いて模型の外形形状を計測し, データをパーソナルコンピュータ上で処理し, コンピュータグラフィックスとして三次元像を再構築した.コーピングの形状をコンピュータ上で設計(CAD)し, 加工用のNCプログラムを作製した.チタンを用いてコーピングの加工を行った(CAM).加工は, NCワイヤ放電加工, NCミリング, NCレーザ溶接を組み合わせて行いコーピングを完成した.最終的なクラウンはコーピングに硬質レンジを被覆して完成した.この方法は, 三次元計測とCADを短時間で行い, CAMを極めて高精度で行うことができた.またこの方法は, 技工操作を省略化し, 現行の技工操作との組み合わせが可能なので極めて実用的であると考えられた.