リン酸で脱灰された象牙質のモノマー透過性を向上させることを目的に, 65wt%のリン酸水溶液でスメアー層を脱灰除去した象牙質を水洗した後, 直ちに4-METAの5%アセトン溶液を塗布し, その後光重合型4-META/TEGDMA-CQ, NPGレジンを硬化させた上に光重合型コンポジットレジンを接着させた.その結果, リン酸でスメアー層を脱灰除去後エアーブローで乾燥させた試料より接着強さは向上し, SEM, TEM観察により樹脂含浸層の生成が確認できた.しかし脱灰層に拡散できた樹脂量は少なく, 脱灰層の底部には樹脂で包埋されていない脱灰コラーゲン層が残存し, そのために高い接着強さが得られないことがわかった.