1994 年 13 巻 3 号 p. 253-259
チタン鋳造用埋没材としてスピネル埋没材を開発した.スピネル埋没材はMgO, Al2O3, ZrO2からなり, 練和液には乳酸アルミニウム水溶液を使用した.混液比は0.2とした.このスピネル埋没材を高温で加熱した際の埋没材中のスピネル生成量と室温での膨張を測定した.1, 200℃で60分加熱後の残存膨張量は0.3〜0.7%であった.しかし, この膨張量ではチタンの鋳造収縮を補償するに足りなかった.膨張量をY(%), スピネルの生成量をX(%)とするとY=-1.52+0.074X, r=0.9なる関係が求められた.また, 鋳造体表層には30μmの反応層が形成されていた.反応層の硬さは鋳造体内部より大きく, これはアルミニウムと酸素がチタンに固溶したためと考えられた.