歯科材料・器械
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原著
チタン鋳造用スピネル埋没材に関する研究 : 第2報 フッ化物を添加した場合の熱的諸性質
大川 成剛
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1994 年 13 巻 3 号 p. 260-269

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抄録

新しいチタン鋳造用MgO-Al2O3-ZrO2系スピネル埋没材を開発した.スピネル埋没材にMgF2, CaF2を添加すると, 圧縮強さが大きくなり, スピネルの生成量が増加した.とくに, MgF2とCaF2をそれぞれ3%添加すると加熱後の室温における膨張量や圧縮強さが大きくなり, 膨張量は1.2〜2.5%であり, 圧縮強さは0.9〜2kgf/mm2に達した.なお, 膨張量は, 埋没材の組成, 加熱温度, 加熱時間により調節することができ, チタンの鋳造収縮値に相当する膨張量を有する埋没材も容易に調製することができた.また, チタン溶湯と耐火材とが反応し, 鋳造体の表層に酸素とアルミニウムを固溶した硬化層を形成していた.このスピネル埋没材により高品質のチタン鋳造体の製作が可能であることが示唆された.

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© 1994 一般社団法人 日本歯科理工学会
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