歯科材料・器械
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原著
歯科用モノマーの細胞毒性 : I.純度の異なるBis-GMAおよびTEGDMAの細胞毒性
原嶋 郁郎今井 弘一中村 正明平澤 忠
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1994 年 13 巻 6 号 p. 563-567

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抄録

Bis-GMAはコンポジットレジンに使用される重要なジメタクリレートの1種であるが, コンポジットレジンに含まれるBis-GMAにはしばしば不純物が認められる.そこでL-929およびHEp-2細胞を用いた細胞回復度試験によって純度の異なる2種のBis-GMAの細胞毒性を評価し, 不純物の細胞毒性に与える影響を検討した.使用したBis-GMAの純度は96wt%と64wt%であったが, 水溶性不純物の影響で64%Bis-GMAのほうが96%Bis-GMAより高い細胞毒性を示した.しかし, 現用コンポジットレジンのBis-GMAは64%Bis-GMAより不純物が少ないと考えられた.また, TEGDMAは比較的強い細胞毒性を示したが, このモノマーはコンポジットレジンマトリックスの重合率を高め, 残留モノマーを減少させる.

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© 1994 一般社団法人 日本歯科理工学会
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