歯科材料・器械
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原著
ディオプサイド結晶化ガラスの歯科修復物への応用 : 第1報 材料の試作と基礎的検討
野浪 亨堤 定美福間 正泰浦部 哲夫
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1994 年 13 巻 6 号 p. 568-574

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抄録

ディオプサイド結晶化ガラスについて検討した.ディオプサイド組成(CaO・MgO・2SiO2)のガラスは1, 500℃で溶融したが, 軟化温度は融点よりもはるかに低く, 800〜900℃で粘性流動を起こすことを見い出した.830℃で0.1MPa以下の圧力で80%以上圧縮変形させることができた.1MPa以下の圧力でガラスインゴットを歯冠形状に成型することができた.850℃・25分で結晶化させたところ, 曲げ強さ400MPa, 破壊靭性値2.7MPa・m1/2であった.結晶化ガラスは変形もなく天然歯に似た色調と透光性を示した.プレス成型法は巣が発生しない, 溶融温度よりも非常に低い温度で処理できるなどキャスタブル法に比べて有利と思われる.

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© 1994 一般社団法人 日本歯科理工学会
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