抄録
急速加熱型石膏系埋没材の膨張量に及ぼす加熱開始時期(練和開始から30, 40, 50, 60および120分)ならびに加熱速度(急速加熱, 室温から10℃/minおよび20℃/min)の影響について, 円柱状試片(10mmφ×50mm)を用いて検討した.加熱開始時期は, 加熱膨張量に影響しなかった.しかし, 硬化膨張の増加に伴って, 総膨張量は練和開始から約50分まで増加した.加熱膨張量に及ぼす加熱速度の影響はほとんどみられなかった.急速加熱の場合, 膨張曲線は, 石膏の脱水, クリストバライトおよび石英の変態に伴う膨張を示した.