歯科材料・器械
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原著
硬質レジン用のメタルプライマーの基礎的研究
-接着性ホスファゼンモノマーの合成およびコバルトクロム合金との引張接着強さ-
安斎 碕小林 弘毅吉橋 和江三野 元崇石井 語西山 實
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1995 年 14 巻 5 号 p. 584-590

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抄録
 本研究は, 硬質レジンとメタルフレームとの接着を向上させることを目的としたメタルプライマーの開発に関するものである.その要旨は, 接着性のシクロホスファゼンモノマーを9種合成するとともに, 合成モノマーをIRおよび1H-NMRで分析した.次に, 合成したモノマーを市販モノマーに20〜50 wt%配合し, 光増感剤を添加して光重合型メタルプライマーを作製した.被着材は, コバルトクロム合金を用いた.被着面積は, 直径3 mmとした.引張接着強さの測定は, 37℃水中に24時間浸漬したのち行った.
 合成モノマーは, IRおよび 1H-NMR分析から, 目的物であった.
 接着強さの大きい合成モノマーは, 塩化窒化リン(P4N4Cl8)の塩素3および5モルをそれぞれ無水トリメリット酸およびHEMAで置換したP4N4[OOCC6H3(COOH)2]3[OCH2CH2OCOC(CH3)=CH2]5で, このモノマー40 wt%, HEMA 40 wt%およびU-2TH 20 wt%を配合した場合であった.引張接着強さは, 22.9 MPaを示した.
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© 1995 一般社団法人 日本歯科理工学会
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