歯科材料・器械
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原著
牛歯象牙質の機械的性質に及ぼす根管治療薬の影響
中野 文夫
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1999 年 18 巻 2 号 p. 128-136

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抄録
根管治療薬が牛歯象牙質の直接引張強さ(DTS)と微小ビッカース硬さ(Hv)に及ぼず影響を検討した.象牙質の頬側薄板から引張強さ用のダンベル型試片を削り出した.引張試験用薄片を切断後に露出した牛歯象牙質を硬さ測定に用いた.作製直後に試験した群をコントロールとして評価した.生理的食塩水,カルシウムとリンが飽和している生理的食塩水,ホルムクレゾール,水酸化カルシウムペースト,ユージノールの浸漬を検討した.ユージノール浸漬後の引張強さはコントロールより有意に大きな値であった(P<0.01).コントロールの硬さと浸漬後の硬さには有意差がなかった.このことより,根管治療薬に浸漬することは牛歯象牙質の機械的性質に影響し,特に,ユージノール浸漬が牛歯象牙質引張強さに影響する.
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© 1999 一般社団法人 日本歯科理工学会
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