1999 年 18 巻 6 号 p. 412-417
この研究の目的は,埋没材の除去や鋳造体酸化膜の除去にウォータージェット切削研磨法を利用することの可能性について検討することである.実験に使用した小型ウォータージェット装置は直径0.17mmのノズルから高速度で水が噴射するもので,その圧力は50~2,000kgf/cm2まで変化できる.また試料台はO~25mm/minの範囲で可変できる.埋没材(2種類)ならびに合金(4種類)表面の付着埋没材と酸化膜に高圧で水を噴射させ,できた溝の幅と深さを測定した.その結果,埋没材の溝の深さは,試料台速度より水圧の影響を大きく受けることが分かった.また金属表面の付着埋没材と酸化膜の削除は試料台速度を8.7mm/minとし,700kgf/cm2の水圧で行うのが適当であることがわかった.このことから,ウォータージェットが鋳造後の埋没材および金属表面の付着埋没材と酸化膜の除去に応用できることが示唆された.