歯科材料・器械
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原著
義歯床用レジンおよび唾液タンパクによる強酸性電解水の性状変化 : 第2報 活性酸素の変化
岸井 次郎山内 六男長澤 亨
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2000 年 19 巻 1 号 p. 34-38

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抄録
強酸性電解水の殺菌を担う活性酸素が床用レジンにより影響を受けるかどうかについて電子スピン共鳴法を用いて検討した.また, 活性酸素が唾液タンパクにより影響を受けるかどうかについても検討した.活性酸素の測定には5.5-dimethyl-1-pyrroline-N-oxide(DMPO), 硫酸第一鉄を用いスピントラップ法により行った. 強酸性電解水からDMPO-OHに由来する特徴的なスペクトルパターンが観察された.DMPO-OHは床用レジンを浸漬しても影響を受けなかった.唾液タンパクを添加した強酸性電解水のDMPO-OHはコントロールと比較して減少を示し, 濃度依存性であった。 以上の結果から, 強酸性電解水をデンチャープラークコントロールに応用する場合, 義歯床に付着しているプラーク, 唾液などを機械的によく除去してから強酸性電解水を用いなければ効果が減弱することが示唆された.
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© 2000 一般社団法人 日本歯科理工学会
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