抄録
本実験は高銅型, 混合相アマルガム母合金, Lumi AlloyのX線分析を行なった.この母合金はいわゆるCuを多く含む2種の母合金から成っており, その組成はおおよそ, Ag 47wt%, Sn 33wt%, Cu 21wt%のものとAg 59wt%, Sn 30wt%, Cu 11wt%であった.また, 母合金中にAg3SnとCu3Snの結晶相が存在していると考えられる.この母合金から得られたアマルガム硬化体には母合金粒子, Cu6Sn5を含むγ1(Ag2Hg3)相と微量のγ2(Sn7-8Hg)相が認められたが, γ2相は時間の経過とともに消失する傾向がみられた.この硬化体を人工唾液に浸漬後, 試料表面の観察を行なったが顕著な変化は認められなかった.