歯科材料・器械
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原著
画像処理装置による鋳巣分布の定量的解析 : (第2報)銀合金について
小山 真美子
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1983 年 2 巻 6 号 p. 812-819

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抄録
鋳巣の定量化は, 機械的性質などの定量化に比べ著しく遅れている.前回報告した金銀パラジウム合金に続き, 本実験では, 歯科鋳造用銀合金について, 鋳巣分布の定量解析を画像処理装置により行なった.鋳造体を細分して得た試料の断面を鏡面研磨し, 画像処理装置に連結した金属顕微鏡を介して測定した.測定項目は, 鋳巣の面積・形状・出現頻度等である.そして, 鋳巣分布状況を定量的に知るとともに, 分布状況を数値化して客観的に伝えるためにはどの測定項目が有効かを検討した.その結果, 鋳巣面積率は鋳造条件・鋳造体部位により異なり, 鋳巣面積率と最大鋳巣面積には高い正の相関があること, 鋳巣の形状を表わすのに下方突出数が有効なこと等がわかり, 画像処理装置の鋳巣分布定量解析への応用は銀合金の場合にも有効なことがわかった.また, 金銀パラジウム合金と銀合金の鋳巣分布には明確な差のあることがわかった.
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© 1983 一般社団法人 日本歯科理工学会
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