歯科材料・器械
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原著
器官培養した鶏胚大腿骨による生体材料の生物評価法について(第1報)
日景 盛森末 裕行小沢 和子佐藤 温重
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1983 年 2 巻 6 号 p. 805-811

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抄録
鶏胚大腿骨の器官培養法を応用して金属の生体への影響を明らかにするとともに, 生体材料の安全性評価における器官培養法の有用性について検討した.Cu, Fe, Ni(純度99.99%以上), Cr(純度98%以上), Co-Cr合金(Co 40%, Cr 20%, Fe 16%, Ni 15%, Mo 7%, その他2%)を直径0.30〜0.35mm, 長さ1.5mmの金属線として試料とした.9日齢鶏胚大腿骨の片方を対照とし, 他方の胚骨側骨端部に試料を刺し込み, 試験管内で7日間回転培養(37℃, 15rph)を行なった.それぞれの金属により組織への障害性は異なっており, Cu, Fe, Niは組織の成長, 分化を著しく抑制した.Cr, Co-Crは鶏胚大腿骨の成長, 分化にほとんど影響しなかったが, Crと接していた部位には細胞の壊死層が存在した.器官培養法を用いることにより短期間に簡便に組織の成長, 分化に対する材料の影響について検索できると考える.
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© 1983 一般社団法人 日本歯科理工学会
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