歯科材料・器械
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原著
試作セルフエッチングプライマーに関する研究 : 水溶性化合物および水分含有量と接着強さの関係
横田 一郎早川 徹
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2001 年 20 巻 1 号 p. 1-13

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抄録
セルフエッチングプライマー中の水溶性化合物および水分含有量がコンポジットレジンと歯質との接着に及ぼす影響について検討した.セルフエッチングプライマーは30wt%の2-メタクリロイロキシエチルフェニルリン酸(Phenyl-P), 水溶性化合物および水から構成されている.水溶性化合物としては、2-ヒドロキシエチルメタクリレート, エタノールまたはアセトンを用い, 水溶性化合物と水との割合を変化させた. コンポジットレジンと牛エナメル質または象牙質との接着強さは, 水溶性化合物の種類, 水分含有量によって影響された.30wt% Phenyl-P, 20wt%エタノール, 50wt%水からなるセルフエッチングプライマーが最も高い接着強さを与えた.Phenyl-P, 各水溶液性化合物, およびPhenyl-P/Ca塩の安定なコンフォメーションを分子力学力場法によって求めたところ, 接着性に影響する可能性が示唆された.
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© 2001 一般社団法人 日本歯科理工学会
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