抄録
破壊靭性試験Notchless Triangular Prism法(NTP)に用いる測定用金型の被験試料(Prism)を把持する部位(HA)に, 15°の傾斜面を付与した改良型測定用金型(TH)を考案し, これをオリジナル測定用金型(OH)と比較した.さらに, このTHを用いたときのクロスヘッドスピード(Chs), NTP試料(Prism)の表面粗さ(R)および測定用金型間隙(HD)の実験条件を三元配置分散分析と破壊面の観察により検討した.その結果, OHは, Prism破壊前にHAの干渉により応力分布に影響し最大破壊応力値がTHに比べて有意に高くなった.このことから, Prism把持部の干渉を防止できるTHが有効であることが分かった.またTH使用時の実験条件については, Chsは0.5〜1.0mm/min, Rは0.19〜0.62μmに設定することが推奨できる.