2008 年 57 巻 2 号 p. 111-119
50μm厚に薄切した全身切片を147Pm面線源及びイメージングプレートと共にコンタクトし,BASシステムによるラジオルミノグラフィー法にて骨密度を評価した。アルミニウムを用いた検量線は広い密度範囲で輝尽発光値との良好な直線性を示し(R2≧0.999),かつ良好な再現性を示した(CV≦3.7%)。更に骨粗鬆症モデルである卵巣摘出(OVX)ラットを作成し,大腿骨,寛骨及び脊柱の骨密度を擬似手術(Sham)群と共に評価した。OVX群は大腿骨の皮質骨部並びに海綿骨部において有意な骨密度低下を示した。しかしながら,大腿骨の骨髄部ではsham群との密度変化は認められなかった。一方,脊柱において骨全体では骨密度の変化は認められなかったが,海綿骨では有意な骨密度低下を示した。これらの成績より,本法はラジオルミノグラフィーとして骨密度を評価することが可能であると考えられた。