歯科材料・器械
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原著
分子内にフルオロアルキル基とメタクリロイル基をもつシラカップリング剤の処理効果 : 3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランとの混合系の効果
二瓶 智太郎倉田 茂昭近藤 行成楳本 貢三好野 則夫寺中 敏夫
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2002 年 21 巻 2 号 p. 104-115

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抄録
シリカ/レジン界面のポリシロキサン層の耐水性を高めるために,3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(3-MPS)と3- {[1' -(ペルフルオロ-5-メチルヘキシル)メチル-2' -(メタクリロイルオキシ)]エトキシ}プロピルトリメトキシシラン(MA 7 bF)のような疎水性のフルオロアルキル基と重合性基を含む新規シランカップリング剤の混合シランの処理効果を調べた.各シラン溶液の濃度は,MAnbF(n=5, 7, 9, 11)を3-MPSに対し,10, 20, 30, 50, 70, 100質量%の割合で混合したもので,2質量%エタノール溶液として調整した.それら混合シランで処理したガラス面に対するレジンの引張接着強さやガラス面に対する混合レジンモノマー(50%Bis-GMA,50% TEGDMA)の接触角を測定した.その結果,MA 5 bFはすべての処理濃度で,MA 7 bF,MA 9 bF,MA 11 bFでは10〜30質量%混合のとき,3-MPS単独処理に比べ,高い接着強さと耐水性をもつカップリング層の生成に有効であった.
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© 2002 一般社団法人 日本歯科理工学会
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