抄録
本実験では硬化初期段階から24時間までのグラスアイオノマーセメントの硬さの経時的変化について検討を行った.実験には2種類の従来型グラスアイオノマーセメントと2種類のレジン添加型グラスアイオノマーセメントを用いた.セメントの練和はメーカーの指示に従い,3種類の粉液比にて行った.セメント試料表面のヌープ硬さをセメント練和開始10分後から24時間後まで測定した.その結果,各測定条件においてセメントの粉液比を増加させるに従い,実験に使用したすべてのセメントの硬さが増加した.従来型グラスアイオノマーセメントの硬さは練和開始15分後までは増加するものの,その後,練和開始6時間後までは硬さの変化は認められなかった.レジン添加型グラスアイオノマーセメントでは硬化初期段階から24時間まで硬さが増加した.グラスアイオノマーセメントの硬さは硬化反応の進行に伴って著明な変化が認められた.