歯科材料・器械
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原著
鋳造用リングライナーに関する研究X : ワセリン塗布ライナー法による埋没材の吸水膨張に対する緩衝効果
高岡 謙次廣瀬 英晴臼井 伸行金田 光正萩野 則仁西山 實
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2002 年 21 巻 4 号 p. 210-219

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抄録
鋳造用リングライナーの緩衝能を表すパラメータとして,埋没材の吸水膨張に対するワセリン塗布ライナーの緩衝効果について検討した.ライナーは,セラミックファイバー系15種(A群:ロックウール系,B群:セラミックファイバー低温系,C群:セラミックファイバー標準系,D群セラミックファイバー低温〜標準系,E群:カオリン系)を用いた.硬化膨張測定器移動枠にワセリン塗布ライナーを装着して埋没材の吸水膨張率を120分間測定し,ライナー装着なしでの吸水膨張率との差,すなわち,緩衝量から緩衝効果を検討した.その結果,埋没材の吸水膨張に対するライナーの緩衝量は,練和開始20分後まで増加して最大を示したのち,急激に減少して30〜45分後で最小を示し,その後はわずかに変動する傾向を共通して示した.注水した練和開始15分以降120分まで緩衝量が正の値を示したのは11製品であった.緩衝量の最大値は,D群が最も大きかった.
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© 2002 一般社団法人 日本歯科理工学会
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