抄録
歯科用CAD/CAMシステムにより製作したコンポジットレジンクラウンの辺縁適合性を検討した,8本の歯型に対して,それぞれ歯科用CAD/CAMシステムによりコンポジットレジンクラウンを製作し,内面の調整を行わずにクラウンを歯型へ合着した.そして,樹脂包埋後に8分割 し,1つの試料に対して16断面のクラウン辺縁のセメント厚さを測定した.また,製作 したクラウンの辺縁部を走査型電子顕微鏡で観察した.その結果,コンポジットレジンクラウン辺縁におけるセメント厚さの平均値は45μmであった.また,コンポジットレジンクラウンの辺縁にはわずかにチッピングが観察されたが,セラミッククラウンの辺縁と比較してチッピングは非常に少なく,切削加工に対する優れた加工特性を示していた.