抄録
本研究の目的は義歯床用レジンの色調に対するオゾンの影響を調べ,オゾンの義歯洗浄法としての有用性を検討することである.3種類のオゾン洗浄法を選択した.オゾンA法では20mg/hのオゾンを12時間ごとに10分間発生させ洗浄した.オゾンB法では同じ量のオゾンを1日24時間,連続発生させた.オゾンC法では発生量を増やし(720mg/h),連続発生させた.2種類の市販義歯洗浄剤,酸化電位水,蒸留水をオゾンによる洗浄法と比較した.レジン板を各洗浄液に30日間浸漬し,その色差を色彩計で測定した.また,ターメリック液により着色させた試験片を60分間,洗浄液に浸漬し,色差を測定した.その結果,オゾンA法,B法,義歯洗浄剤および酸化電位水によるレジン板の30日間浸漬試験では色差に有意な変化は認められなかった.また,着色除去試験においては,オゾンB法および義歯洗浄剤による洗浄では着色試験片の色差に変化はみられなかったが,オゾンC法および酸化電位水では有意な着色除去効果が認められた.