歯科材料・器械
Online ISSN : 2188-4188
Print ISSN : 0286-5858
ISSN-L : 0286-5858
原著
二酸化チタン光触媒による義歯洗浄に関する研究 ―第1報 色素を用いたモデル実験―
長谷 博子松下 調子明田 喜仁大八木 薫博熊谷 崇行野浪 亨
著者情報
キーワード: 二酸化チタン, 光触媒, 義歯
ジャーナル フリー

2004 年 23 巻 1 号 p. 16-20

詳細
抄録
二酸化チタン光触媒を利用して,義歯に付着した歯石やヤニの除去が可能であるかメチレンブルー,ヘマトポルフィリンおよびたばこのヤニを染色モデルとして検討した.二酸化チタンと微量の酸で二酸化チタン洗浄剤を調製した(以下二酸化チタン洗浄剤という.).この二酸化チタン洗浄剤により,lOppmのメチレンブルーを2分間で5ppm以下に脱色することができた.また二酸化チタン洗浄剤によりヘマトポルフィリンで染色した試験紙をL^*値は60程度から90近くに増加させた.a^*値は20近くから0以下に減少させ,ヘマトポルフィリンの赤褐色を完全に脱色することができた.更に,たばこのヤニは二酸化ヂタン洗浄剤による洗浄後のΔL^*値は14.43と高い値を示し,Δa^*,Δb^*値も-8.35と-8.15とそれぞれ脱色することができた.よって本研究により,安全かつ簡単に義歯を痛めることなく洗浄できることが期待できる.
著者関連情報
© 2004 一般社団法人 日本歯科理工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top