歯科材料・器械
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原著
PEMAとユージノールを基材とした新しい仮着材の開発
岡田 英俊石田 喜紀野口 博志長山 克也
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2005 年 24 巻 6 号 p. 431-438

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抄録
この研究の目的は操作性, 接着強さに優れ, さらには暫間修復物撤去後の支台に対する残存性が少ない仮着材を開発することである.試作材(PEE)の基材は粉末がポリエチルメタクリレート, 液がユージノールである.この研究ではPEEの粉液比を1.0〜1.6の条件とした.また, 市販されている仮着材をコントロールとした.以下の結果が得られた.PEE1.6はPEE1.0〜1.4より稠度が大きく, 被膜厚さが厚く, そして溶解率が小さくなっていた.また, サーマルサイクル試験後の接着強さにおいてPEE1.6とコントロール間では有意差は認められなかった.接着試験後の試料の観察において, PEE1.6の試料ではステンレス製支台金型における材料の付着が認められなかった.以上のことから, 試作材PEE1.6が臨床的に適しているのではないかと推察された.
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© 2005 一般社団法人 日本歯科理工学会
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