熱膨張係数が小さい合金(INV)と比較的大きい合金(SUS)にてインレーとクラウン, 窩洞と支台を作製し, それぞれをリン酸亜鉛, ポリカルボキシレート, グラスアイオノマー, レジン系セメントの4種類の歯科用セメントで接着し, 浮き上がり量を計測してから被膜厚さを計算した.練和・混和の10分後より5℃と55℃の水槽にそれぞれ30秒間浸漬し, 荷重負荷ありではこの間に10秒間60kgfを2回負荷し, 1000回の熱サイクル試験後, 引張接着試験を行い接着強さを測定した.接着強さは, レジン系セメントが最も大きく, 次がポリカルボキシレートセメントであり, リン酸亜鉛セメントとグラスアイオノマーセメントがほぼ同じであった.インレー, クラウン共に内側の試料がステンレス鋼(SUS), 外側の試料がアンバー合金(INV)のときに接着強さが小さかった.クラウンがINVでは荷重負荷なしの方で接着強さが大きく, クラウンがSUSでは逆に荷重負荷ありの方で接着強さが大きかった.
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