抄録
Bis-GMA系コンポジットレジンの流動特性を考察する基礎的データを蓄積するためにコーンプレート型レオメーターを使用し, Bis-GAM+TEDMAモノマー混合物(10:0, 8:2, 7:3, 6:4, 4:6, 2:8, 0:10)およびモノマー混合物にフィラーを混合した複合物の粘性挙動を測定した.測定は粘度-時間曲線および流動曲線を求めた.その結果, モノマー混合物の粘度はTEDMA量の増加に伴い著しく減少した.また, モノマー混合物はニュートン流体であり, 20〜37℃の範囲内でアンドレード型の温度依存性を示し, 見かけ上の流動の活性化エネルギーの対数値とTEDMA量は直線関係を示した.複合物はチクソトロピーを示し, フィラー量の増加に伴い, そのチクソトロピーは大きくなった.また, チクソトロピーは20〜37℃の範囲内で温度上昇に伴って減少し, アンドレード型の温度依存性を示した.