歯科材料・器械
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原著
リン酸アルミニウムを利用した新しい歯科用埋没材の研究 : 第2報 埋没材用耐火材としての応用
亀水 秀男竹沢 保政井村 清一林 憲司水口 大幸飯島 まゆみ若松 宣一後藤 隆泰土井 豊森脇 豊生内 良男久保 文信
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1987 年 6 巻 3 号 p. 249-254

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抄録

リン酸アルミニウムはシリカと同様な転移現象を示すが, 高温型ベルリナイトから高温型クリスタルファイトの転移はシリカのそれに比べて転移温度が低く, 転移速度が速いため比較的容易に起こる. そして, この際の膨張が非常に大きいためこれを高温鋳造用埋没材に利用すれば加熱膨張のみで十分鋳造収縮を補償できると考えられた. リン酸アルミニウムのα-β転移を低中温鋳造用埋没材に利用し, ベルリナイト-クリスタルファイト転移を高温鋳造用埋没材に利用することを目的としてこれらの熱膨張特性を検討した. 同時に従来のシリカ系埋没材との比較を行なった.リン酸アルミニウム系埋没材のほうがシリカ系埋没材よりも膨張率が高く, 加熱処理法によって種々な熱膨張量が得られることが分かった. また, ベルリナイト-クリスタルファイト転移に伴う膨張は非常に大きく, 5%以上の線膨張が得られた. さらに, 粒度調整をおこなえば7%もの大きい膨張が得られた.

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© 1987 一般社団法人 日本歯科理工学会
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