歯科材料・器械
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原著
歯質接着性Coating Agentの性質について : 第1報 エナメル質人工白斑における再石灰化に及ぼす影響
徐 成徳吉田 定宏土井 豊森脇 豊古路 寛牧嶋 孝生
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1987 年 6 巻 3 号 p. 305-311

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抄録
初期齲蝕(白斑)は小児歯科臨床上頻繁に見られる. それ故に, 白斑の再石灰化促進が望まれている. 本実験では, 新たに開発した歯質接着性コーティング剤のエナメル質接着力と白斑部再石灰化効果を検討した. 接着試験は, 埋伏牛歯のエナメル質を用い, つき合わせ接着させて, 接着力を評価した. 再石灰化実験では, 健全な人抜去小臼歯を用い, 酸ゼラチン法にて人工白斑を形成した後, フッ素含有コーティング剤を適用した. その後, 再石灰化溶液に浸漬して, 白斑部の再石灰化度を定性的に評価した. 1)コーティング剤の接着力は, 白斑部に十分接着するものと考えられた. 2)フッ素含有コーティング剤を適用することにより, 再石灰化促進効果が認められた. 3)フッ素イオン濃度としては, 10ppmが白斑部の再石灰化促進に有効と考えられた.
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© 1987 一般社団法人 日本歯科理工学会
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