歯科材料・器械
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原著
コンポジットレジン中のメタクリレートモノマーに関する研究(第一報) : 硬化レジンからのモノマーの各種溶媒への溶出について
菊池 寛辻 楠雄新谷 英晴中村 晃忠
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1987 年 6 巻 5 号 p. 621-626

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抄録
高速液体クロマトグラフィーを用いて, 市販コンポジットレジン12種中のモノマー配合量および硬化レジンプレート (10×20mm, 厚さ0.15mm) から各種溶媒 (メタノール, 20%および40%エタノール, 生理食塩液) 5mlへの溶出量を調べた. 各種メタクリレートの検出件本数とその配合量は次の通りであった: Bis-GMA, 11件, 3.1〜18.8%; Tri-EDMA, 9件, 3.4〜11.3%; UDMA, 3件, 6.8〜8.1%. Bis-GMAの溶出量はメタノール, 40%エタノール, 20%エタノールの順に減少し, 生理食塩液への溶出は認められなかったが, Tri-EDMAの溶出量は溶媒の種類によってほとんど変化しなかった. これは, 両者の脂(水)溶性の反映と考えられる. 溶媒へのBis-GMAおよびTri-EDMAの溶出量とレジンへのモノマーの配合量の間には相関関係が認められた.
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© 1987 一般社団法人 日本歯科理工学会
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