抄録
高速液体クロマトグラフィーを用いて, 市販コンポジットレジン12種中のモノマー配合量および硬化レジンプレート (10×20mm, 厚さ0.15mm) から各種溶媒 (メタノール, 20%および40%エタノール, 生理食塩液) 5mlへの溶出量を調べた. 各種メタクリレートの検出件本数とその配合量は次の通りであった: Bis-GMA, 11件, 3.1〜18.8%; Tri-EDMA, 9件, 3.4〜11.3%; UDMA, 3件, 6.8〜8.1%. Bis-GMAの溶出量はメタノール, 40%エタノール, 20%エタノールの順に減少し, 生理食塩液への溶出は認められなかったが, Tri-EDMAの溶出量は溶媒の種類によってほとんど変化しなかった. これは, 両者の脂(水)溶性の反映と考えられる. 溶媒へのBis-GMAおよびTri-EDMAの溶出量とレジンへのモノマーの配合量の間には相関関係が認められた.