歯科材料・器械
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原著
コンポジットレジン中のメタクリレートモノマーに関する研究(第二報) : 歯質へのモノマーの移行について
菊池 寛辻 楠雄中村 晃忠
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1987 年 6 巻 5 号 p. 627-632

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抄録
3種類の市販コンポジットレジンを用いて研究を行った. 牛前歯の切片の象牙質部分上に内径5mm, 高さ2mmのプラスチックリングを置き, そこにレジンを詰めて硬化させた. 1日および7日後にレジンを剥離し, 牛歯中に移行したモノマーと剥離した硬化レジン中の残留モノマーを高速液体クロマトグラフィーで定量した. 硬化前のレジン中のモノマー含有量の多いレジン程, 硬化後の残留モノマー量も多かった. 同一のレジンで繰り返し実験を行った場合, Bis-GMAの歯質への移行量が多かった実験では, その同じ切片中のTri-EDMAの移行量も多く, Bis-GMA移行量が少ない場合はTri-EDMA移行量も少なかった. ところが, 歯質へのモノマー移行量と硬化レジン中のモノマー残留量との間には相関関係は成り立たなかった. また, Bis-GMAの歯質への移行量は時間の経過につれて増える傾向が明らかであったが, Tri-EDMAについては同様の傾向は見られなかった.
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© 1987 一般社団法人 日本歯科理工学会
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