口腔内から撤去した歯科用合金の変色表面のESCAによる解析　(第2報)　Ag-Sn-Zn合金

遠藤 一彦; 荒木 吉馬; 大野 弘機; 松田 浩一

doi:10.18939/jjdm.7.2_192

原著

口腔内から撤去した歯科用合金の変色表面のESCAによる解析　(第2報)　Ag-Sn-Zn合金

遠藤一彦, 荒木吉馬, 大野弘機, 松田浩一

著者情報

キーワード: Ag-Sn-Zn合金, 変色, ESCA

ジャーナルフリー

1988 年 7 巻 2 号 p. 192-196

DOI https://doi.org/10.18939/jjdm.7.2_192

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抄録

口腔内で変色したAg-Sn-Zn合金鋳造冠を撤去し, 変色表面をESCAで分析した.合金表面に形成された腐食生成物層の厚さは, 5, 000Åであった.腐食生成物層は, 主に卑金属成分の酸化物SnO₂とZnOで構成され, Agは金属状態で存在していた.合金成分の硫化物および塩化物は検出されなかった.Ag-Sn-Zn合金の口腔内における変色の原因は, Ag₂Sの生成ではなく, 卑金属成分SnおよびZnの酸化物生成である.

責任著者(Corresponding author)

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