歯科材料・器械
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原著
各種ベース材および支台築造材に対する接着性セメントの接着強さについて
北野 忠則
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1988 年 7 巻 3 号 p. 488-502

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抄録
本研究の目的は, ベース材および支台築造材に対する接着性セメントの接着強さを検討するために, 片面接着強さと突合せ接着強さの違いや, 鋳造用合金に表面処理を行うと接着強さにどのような影響があるかを比較検討したものである. 片面接着法は9種のベース材および支台築造材を被着体とし, 3種の接着性セメントを用い, 突合せ接着法は3種の被着体, 2種の鋳造用合金および2種のレジンセメントを用いた. その結果, 次の結論がえられた. 2種の接着性レジンセメントはレジン系の支台築造材に対し良好な接着強さを示し, 全般的には4META-MMA/TBB系レジンセメントのほうがBisGMA/リン酸エステル系レジンセメントより大きな値を示した. また, この種の実験を行うにあたっては, より臨床に近い突合せ接着試験法を採用し, 片面接着試験法は参考程度にとどめておいたほうがよい. さらに, この種の試験に供する鋳造用合金は, いわゆる鋳放しの状態で用いるべきであることが示唆された.
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© 1988 一般社団法人 日本歯科理工学会
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