抄録
床用レジンの重合試験片を作製し, アルミナ系メディア(RK, UC, UP, SA)と有機質メディアBを用いて遠心バレル研磨を行ない, 研磨面性状を検討した. 塊状尖形の粉砕アルミナ系メディアRKを用いると, 非常に大きい研磨量が得られたが, 研磨面が荒れていることが認められた. 球状の焼結アルミナ系メディアSAを用いるとほとんど研磨量が得られず, 表面性状の改善効果も小さかった. 有機質メディアBを用いると, 塊状のアルミナ系メディアUP, UCと同程度の研磨量を示したが, これらのメディアに比べて表面性状の改善効果が大きく光沢のある研磨面が得られた. 床用レジンは硬さが小さいので, 有機質メディアを用いたバレル研磨が, 表面の平滑化と光沢化に有効であることが判明した.