1989 年 8 巻 1 号 p. 11-16
37%リン酸水溶液で60秒間処理したヒト象牙質に試作ボンディング材を塗布し, 光重合型コンポジットレジンを充塡した際の引張接着強さを測定し, また引張接着強さ試験後の破断面のSEM観察も行った.試作ボンディング材はベースモノマーとして, 分子量1500, 5000のウレタンアクリレート系オリゴマーを20wt%含有したものである.今回試作したボンディング材の中では分子量1500のものが最も大きい接着強さの値を示し, 91±17kgf/cm2であった.引張接着強さとその破断面を観察した結果, ベースモノマーとして高分子量モノマーを添加したボンディング材はヒト象牙質に対する接着促進傾向が認められた.