抄録
コンポジットレジンは, 重合時に収縮応力を発生することが知られており, この収縮応力は窩洞修復時コンポジットレジンが窩壁と接着していると, コンポジットレジン自身や硬組織に損傷を与える.また収縮応力は, 窩洞形態やコンポジットレジンの形態によって影響される.そこで, 本論文では種々の窩洞形態の相違による収縮応力の影響を検討した.
収縮応力は, コンポジットレジンの重合によって生じる黄銅製金型の変位量から算出するとともに窩壁に作用する収縮応力を有限要素法によって解析した.さらに, コンポジットレジンを充〓したシリカ製円筒管の亀裂の状態を観察した.
練和開始30分後の収縮応力は, コンポジットレジンの辺縁角度, 窩洞の直径, 深さが増加するにつれて減少した.窩縁部にベベルを形成した窩洞では, 収縮応力が減少し, 収縮応力の経時的変化はリバースベベルを付与した場合練和開始24時間以内で収縮応力の減少が認められなかった.しかし, 他の場合はコンポジットレジンの〓離と考えられる収縮応力の急激な減少が認められた.有限要素法による収縮応力の解析から, 最大の収縮応力は窩縁部に示され, そして応力は窩縁部にラウンドベベル, フラットベベル, リバースベベルを付与した場合の順で減少した.
コンポジットレジンを充〓したシリカ製円筒管の観察から, ラウンドベベル, フラットベベルを付与した場合およびベベルなしの場合では, 円筒管の亀裂が観察された.しかし, リバースベベルを付与した場合では, 練和開始24時間以内では, 円筒管の亀裂およびコンポジットレジンの円筒管からの〓離は観察されなかった.