抄録
嚥下障害を持つ患者に対するリハビリテーションにおいて,看護師は日々嚥下能力を評価し,その経過を把握することが重要である.これにより,各患者に合わせたリハビリテーションの方針や食事のメニューを選択することができ,誤嚥を防止することができる.しかし,嚥下能力を評価する方法としては,嚥下造影(VF検査),超音波診断法,咽頭ファイバー,嚥下圧計測,CT,シネMRIなど大規模かつ高価な方法が主として使用されており,在宅環境において使用するのは難しい.本論では,在宅環境においても簡易に使用できる光センサを用いた嚥下能力評価システムを提案する.嚥下能力の評価用パラメータとして嚥下時の先行時間,頤舌骨筋,甲状舌骨筋を,拘束性の低い光センサを用いて推定する.その結果,先行時間は12.5%,頤舌骨筋筋力は19.2%,甲状舌骨筋は11.6%の誤差で推定された.また,嚥下能力を総合的に評価するための指標として,被験者の年齢に対して,標準的な嚥下能力を表す嚥下年齢を推定する.その結果,患者の実年齢との二乗平均平方誤差は6.89歳であった.