人間工学
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原著論文
色の誘目度モデルを用いた航空管制レーダー画面の設計指針の検討
吉田 悠 青山 久枝狩川 大輔井上 諭菅野 太郎古田 一雄
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2021 年 57 巻 4 号 p. 180-193

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抄録

本研究では,航空管制に代表される複雑かつ認知的負荷の高い業務を対象に,人の視覚的特性を考慮した画面を設計することにより,ユーザーのタスクパフォーマンス向上や作業負荷低減の実現を目指している.今回筆者らは,視覚的注意に影響の大きい情報の誘目性に着目し,業務支援のための機能表示に色の誘目性を活用したときの,タスクパフォーマンス,状況把握,および作業負荷への影響を明らかにする実験を実施した.実験参加者は熟練航空管制官6名であった.実験タスクは現場の管制業務を模したマルチタスクとし,管制指示タスクをメインタスクに,航空機受け渡しタスクをサブタスクに設定した.そして,管制指示タスクにおける航空機の重要度に応じて色の誘目度を高中低の3段階に割当て,高と低の誘目度の差が(a)ない,(b)小さい,(c)大きい,の3パターンの実験条件を設定した.結果,情報間の色の誘目度の差が小さい画面条件では,メインタスクのパフォーマンスが相対的に高く,認知的負荷についても良好な傾向が見られた.

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© 2021 一般社団法人 日本人間工学会
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