本研究では,オフィスや学校での仮眠を想定し,座位での机上うつ伏せ姿勢の体幹起立角度が身体の圧迫感と安定感に及ぼす影響を検討した.若年健常者18名を対象に机上うつ伏せ姿勢を,体幹起立角度(体幹が水平面と成す角度)の調整のための支持台を使用する3条件(傾斜角度60°,45°,30°条件)と使用しない条件(無し条件)の計4条件にてそれぞれ15分間行わせた.満足度は全支持台使用条件が無し条件に比べて有意に高かった.また,体幹起立角度が最も大きくなる60°条件が無し条件に比べて有意に圧迫感が小さく,安定感が高かった.以上のことから,机上うつ伏せ姿勢での仮眠においては,体幹起立角度を適度に大きくすることが体圧や安定性の面から望ましいこと,その姿勢を可能にする枕などの仮眠用具が必要であることが示唆された.