人間工学
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オープンデータ
つえ歩行に適した歩行者系舗装材の選定に関する基礎的検討
-主観評価を用いて-
秋元 美咲 依田 光正
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2024 年 60 巻 1 号 p. 13-21

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抄録

本研究の目的は,つえ歩行という歩行者側の条件が,歩行者系舗装材(舗装材)の評価に与える影響を検討すること,および歩行性の観点からつえ歩行において主観的に高く評価される舗装材に関する基礎的データを得ることであった.舗装材に対する主観的評価方法としてはSD法と選択法を用いた.36名の大学生および大学院生が,5種類の舗装材の印象を6対の形容詞対を用いて,つえ使用歩行の有無を想定して回答した.因子分析の結果,堅牢性,嗜好性および安定性の3因子を得た.SD法と選択法の結果から,つえ使用の有無という歩行者側の条件は,舗装材の印象に影響を与えていることが示唆された.SD法の因子の観点から,石材平板を除く,アスファルト,ILブロック,タイルおよびゴムチップが,つえ歩行時の舗装材として比較的高く評価された可能性が示された.選択法の結果からは,つえ使用時に歩きやすいと思うと選択した人数が多かった舗装材は,アスファルト,ゴムチップであった.

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© 一般社団法人 日本人間工学会
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