人間工学
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実践報告
輸液剤表示デザインの違いによる薬剤確認作業への影響
-取り違えの低減に向けて-
徳永 裕香 薮崎 衣美武村 謙吾
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2025 年 61 巻 5 号 p. 301-307

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抄録

テルモ株式会社で製造販売している輸液剤について,取り違えリスクの低減につながるような確認しやすい表示デザインを検討した.看護師にとって確認しやすいかを検証するため,使用される頻度が比較的高い輸液剤10製品を対象に,現在販売している表示デザイン(以下,「従来の表示」)と新規に設定した表示デザイン(以下,「新表示」)を比較した.看護師11名を対象に指示箋と輸液剤の確認課題を与え,誤認の有無,視線情報,確認時間,主観評価を測定した.結果,誤認は従来の表示で1件発生し,主観評価では,新表示の方がわかりやすい,読みやすいという回答が9割以上を占めた.その理由として識別に必要な情報が中央に集中している新表示のレイアウトが有効に働いたことが考えられる.引き続き実使用時の意見も確認しながら,より良い表示デザインを目指し工夫を重ねていく.

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© 一般社団法人 日本人間工学会
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