1965年に L. A. Zadeh によって提案されたファジィ集合理論をFTAに応用することを試みた. 基本事象の生起確率のあいまいさが, 頂上事象にどのように伝播するかの評価をファジィ集合理論によって求める方法を提案し, 人間の関与するシステムの例題において, 本論文の方法の有効性を示した. ここでは, メンバーシップ関数を家型に限定したが, これは計算を容易にすることと, 機器の故障率や人間の誤り率の妥当な近似と考えられるからである. ここで提案しているファジィFTAによって, 基本事象の生起確率が取りうると思われる範囲が与えられれば, 頂上事象の生起確率の可能性が計算できる. このような定式化によって人間が関与したあいまいな現象を含むFTAをより現実的な観点から取り扱える.