抄録
室内環境の快適性を取り上げ, 特に心理的側面からの快適な視環境設計を行うための基礎的研究の一環として, 室内視環境要素の室内雰囲気への影響を研究したものである. まず, 住空間の設計計画的要因として壁面色彩, 光源面積, 光源の種類, 室内机上面照度, 壁材のテクスチュアなどを取り上げ, 縮尺模型により実験的に検討を行った. 7段階両極尺度によるSD法で, 室内雰囲気の測定を行い, 因子分析法により3因子が折出された. さらに分散分析により変化要因の室内雰囲気への影響をみた. その結果, 照明諸要因の影響は他の要因との交互作用も含めて大きい. また, 各因子ごとに要因の影響の仕方にある程度の規則性が認められた.