CRT表示におけるドットパターンに対する認知処理特性は, 人間の視覚情報処理の解明という観点から, 1文字を単独に提示したときの文字認知処理特性については, 明らかにされている. 本研究では, CRT上に表示された情報の認知に際して, そのコンテクストを利用できるというより現実のVDT作業に近い状況において, 認知の正確さおよび処理時間などの認知処理特性を明らかにし, さらに文字認知の処理特性と比較, 考察することを目的とする. 本研究における2つの実験の結果から, 認知処理特性に対して, 表示パターンの影響のほか, 綴りの誤りを含む単語を正しい綴りの単語に混同するなどのコンテクストの影響も明らかになった.