人間工学
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韓国の企業における人間工学の利用実態に関する研究
趙 巌野呂 影勇
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1990 年 26 巻 4 号 p. 203-209

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抄録
生産性, 安全性, および作業環境の快適性と人間工学とは互いに密接な関係がある. 本研究は, 各企業のQCサークル活動のなかで得られた人間工学に関する資料を利用し, 韓国の企業の利用実態とその方法について調査したものである. 本研究は, 最終的には韓国の企業に人間工学を定着させるための方策を提案することを目的とする. 以下の点が結論として得られた. (1) 韓国の企業において, 人間工学の方法を利用している比率は53.3%である. そして, 品質管理の項目は“能率向上”と“不良品の低減”に集中している. 能率向上を図るために作業現場の作業動作改善と作業に必要な治工具, 設備の改善などに人間工学的方法が使用される傾向がみられる. (2) 韓国の品質管理において人間工学的方法が利用されている部門は, 品質向上のための改善, 能率, コスト, その他の順にあげられる. 内容のなかでいちばん多く利用されているのは, 仕事をやりやすくしたり, 負担の低減を図る (71.9%) である. (3) 企業の全構成員に人間工学を普及させるために,“韓国におけるQCサークル人間工学教育カリキュラム”を開発して提案する.
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© 一般社団法人 日本人間工学会
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