人間工学
Online ISSN : 1884-2844
Print ISSN : 0549-4974
ISSN-L : 0549-4974
手動制御系におけるモデル追従制御を適用した制御の簡易化に関する一考察
末長 修井原 素三
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 28 巻 1 号 p. 29-36

詳細
抄録
制御が難しい制御対象に対し, その制御を簡易にする手動制御系を, モデル追従制御系設計手法を適用して構成した. モデル追従制御系とは, 制御系の望ましい特性をモデルのかたちで表現し, その出力に実際の制御対象のそれを一致させる系のことである. 本研究では, 制御対象を2次遅れの安定系, 不安定系の2種類とし, 直接人間が制御対象を制御する従来の追跡手動制御系による実験Iと, モデルをほぼ比例要素とみなせる1次遅れ要素としたモデル追従手動制御系による実験IIとの比較から, その制御の簡易化, ならびにそれに伴う制御結果の良否, 作業負担の軽減について実験的考察を行った.
その結果, モデル追従手動制御系においては, 人間は制御対象の特性にかかわらず, モデルの出力に対し制御を行うことになるため, 制御の簡易化, また制御負担の軽減が図られ, 人間工学的見地からも有用であることが確かめられた.
著者関連情報
© 一般社団法人 日本人間工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top