人間工学
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車載情報機器搭載時における運転者の特性に関する研究
大門 樹川嶋 弘尚赤松 幹之
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1993 年 29 巻 3 号 p. 157-165

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抄録
自動車運転時の経路選択に, 車載情報機器 (ナビゲーションシステム) を使用した場合の運転者の基本的諸特性を探り, ペーパーマップと此較して検討した. ハンドルによる経路選択機能を付加したシミュレータを作成し, 被験者に経路選択を行わせながら, ハンドルによる方向制御とアクセルおよびブレーキによる速度制御からなる二次元トラッキング実験を行った. 実験中の被験者の特性を, 聴覚信号を用いた二重課題法, トラッキング作業における制御成績, 主作業に対する主観的評点, 注視点の停留頻度および停留時間によって総合的に評価を行った. その結果, ペーパーマップ使用時と比較した場合, ナビゲーションシステム使用時の特性として, 経路選択に伴う作業負担がペーパーマップに此べて低減すること, 情報表示に対する平均注視時間が短く, 平均注視頻度が高いことが確認され, また, 経路選択を伴う運転作業は記憶に関係していることが示唆された.
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© 一般社団法人 日本人間工学会
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